令和4年度診療報酬改定の影響は皆様いかがだったでしょうか?病院によっては、9月末の経過措置までに対応が求められているところもあるかと思います。
具体的には、急性期一般病床での重症度、医療・看護必要度の見直しです。特に内科系の急性期病床では大きな影響を受けているケースも出てきています。対応策が限られるだけに、厳しい改定であったと言えます。
今改定は、医療の質の評価、病病連携(地域医療構想の推進)、病診連携、地域を巻き込んだ継続可能な医療提供体制の構築、医療DX(ICT化・オンライン診療・カンファレンスの要件等)、入院・外来医療の機能分化(かかりつけ医の機能の強化)、また話題となったリフィル処方箋の導入など、今までの改定とは、少し角度の違う改正内容が導入されています。
そんな中で、日頃コンサルティング業務を行いながら注目している点は、“実績の評価”です。今改定においても、急性期では、高度急性期を評価した、「急性期充実体制加算」。この加算によって高度急性期具体的なラインが示されたといっても過言ではありません。その他にも、前述しました「重症度医療看護必要度の厳格化」、「地域包括ケア病床での実績の厳格化」、「回復期リハの重症患者割合の引き上げ」、「摂食嚥下支援加算」、「機能強化加算の要件厳格化」など、体制評価から実績評価の流れが、より明確になってきたと言えます。
“体制評価”は、経済的な誘引による医療機関の自助努力による医療提供体制の整備を行うに対し、“実績評価”は、市場原理に任せる改革的な医療提供体制の再構築と言い換えることができるのではないでしょうか?
具体的には、急性期一般病床の評価です。人員体制看護体制と平均在院日数の指標に重症度、医療・看護必要度の評価が導入され、一定地域に重症度、医療・看護必要度の対象になる患者像が限られるところから、まさしく市場原理が導入されたと言えます。この基準を上下すれば、国が想定する対象病床を残すことができる仕組みなったと言えます。
団塊の世代の方が75歳を迎える2025年を控え、2年後の2024年は、診療報酬・介護報酬同時改定、第8次医療計画開始、医師の働き方改革の実行など、医療機関を取り巻く環境は、大きく影響のある改革が控えているといえます。
診療報酬改定では、短期的な対応策が求められるということもありますが、地域の限られた市場に目を向け、自院の獲得可能な“実績”を見出し、機能の明確化、強化の方向を選択していくことが経営のポイント、今後の改革への対策といえるのではないでしょうか。
………………………………………………………………………………………………………
株式会社名南メディケアコンサルティング
シニアコンサルタント 川瀬 大輔
〒450-6333 愛知県名古屋市中村区名駅一丁目1番1号 JPタワー名古屋33F
TEL : 052-589-2301 FAX : 052-589-2316 E-mail : d-kawase@meinan.net
………………………………………………………………………………………………………
コメント