令和3年度介護報酬改定により、色々な役割を担うことが法的義務等も含め求められるようになっています。今後は、その改定項目の内容について、順次ご紹介していきたいと思います。経過措置があるいくつかの項目において、運営規程の修正を含む改定項目があります。
 令和6年3月末まで時間がありますので、なかなか日々の業務に追われてしまい、つい後回しになってしまいがちではないでしょうか。少し気が早いですが、改定の内容をおさらいしながら、経過措置の期間で今後に備えましょう。

【令和3年9月30日までの経過措置】
介護保険施設におけるリスクマネジメントの強化
 安全管理体制未実施減算5単位/日、安全対策体制加算20単位/入所時 が新設され、要件が厳格化されました。(すでに実施済み。)
【令和6年3月31日までの経過措置のあるもの】
①感染症対策の強化
②ハラスメント対策強化
③高齢者虐待防止の推進
④業務継続に向けた取組の強化(業務継続計画(BCP)の策定)
⑤介護に直接携わる職員の認知症介護基礎研修受講
⑥介護保険施設における口腔衛生の管理や栄養ケアマネジメントの強化

1.介護保険施設におけるリスクマネジメントの強化
 既に介護保険施設では、対応がなされている項目ではありますが、介護保険施設では、事故発生防止のための指針の整備。事故発生時の報告とその分析を通じた改善策を従業者に周知徹底する体制の整備。委員会の設置と研修の定期的な実施が必要になりますので計画的に、組織全体での対応が求められます。
実施対応がなされていない場合は、今回、安全管理体制未実施減算が設定されたことで、実地指導の時には、返金が伴う事項となりました。また安全対策体制加算20単位/入所時、が設定され、報酬体系からもリスクマネジメントの体制強化が実施されています。

2.感染症対策の強化
介護サービス事業者に、感染症の発生及びまん延等に関する取組の徹底を求める観点から、以下の取組を義務づける。

川瀬さん記事画像(感染症対策の強化)






運営規程の記載例
(衛生管理等)
第●条 事業所は、事業所において感染症が発生し、又はまん延しないように、次の各号に掲げる措置を講じるものとする。
(1)事業所における感染症の予防及びまん延防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)をおおむね6月に1回以上開催するとともに、その結果位 について、従業者に周知徹底を図る。
(2)事業所における感染症の予防及びまん延防止のための指針を整備する。
(3)事業所において、従業者に対し、感染症の予防及びまん延防止のための研修及び訓練を定期的に実施する。

コロナの感染は利用者のみならず、職員が感染もしくは濃厚接触者になり人員体制が不足する中、事業運営が迫られる状況が続いており、今後の事業を運営する上で、避難訓練のみならず、感染対策訓練も実施する必要がでてきます。まだ経過措置の期間中ではありますが、早めの取組をお勧めします。

次回は、ハラスメント対策強化についてご紹介します。ご期待ください。

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