令和3年 11 月に閣議決定された経済対策を踏まえ、看護の現場で働く方々の 収入の引上げに係る必要な対応について、10月1日より診療報酬の一部改定がされています。主なものとしては、看護職員処遇改善評価料」です。今回は、少しその改定内容についてご紹介します。
地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、令和4年 10 月以降収入を3%程度(月額平均 12,000 円相当)引き上げるための処遇改善の仕組みを創設。地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関において、勤務する看護職員の処遇を改善するための措置を実施している場合の評価を新設することとされました。


〇看護職員処遇改善評価料の新設
(新) 看護職員処遇改善評価料(1日につき)
1 看護職員処遇改善評価料1 1点
2 看護職員処遇改善評価料2 2点
3 看護職員処遇改善評価料3 3点
↓
145 看護職員処遇改善評価料 145 145 点
146 看護職員処遇改善評価料 146 150 点
147 看護職員処遇改善評価料 147 160 点
↓
165 看護職員処遇改善評価料 165 340 点
同じ加算項目で、165項目あるというのはとても珍しい項目となっていますが、1点~340点の間の評価料とうことになります。
【算定要件】
(1)看護職員の処遇の改善を図る体制その他の事項につき別に厚生労 働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長 等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、第1節の 入院基本料、第3節の特定入院料又は第4節の短期滞在手術等基本料を算定しているものについて、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。
(2)看護職員処遇改善評価料は、地域で新型コロナウイルス感染症に 係る医療など一定の役割を担う保険医療機関において、当該保険医 療機関に勤務する保健師、助産師、看護師及び准看護師の賃金を改善するための措置を実施することを評価したものである。
【厚生労働大臣が定める施設基準】
(1)次のいずれかに該当すること。
イ 救急医療管理加算に係る届出を行っている保険医療機関であって、救急搬送件数が年間
で 200 件以上であること。
ロ 「救急医療対策事業実施要綱」(昭和 52 年7月6日医発第 692号)に定める第3「救命救急センター」、第4「高度救命救急センター」又は第5「小児救命救急センター」を設置している保険医療機関であること。
(2)(1)のイの救急搬送件数は、賃金の改善を実施する期間を含む年度(賃金改善実施年度という。以下この区分において同じ。)の前々年度1年間における実績とする。ただし、現に看護職員処遇改善評価料を算定している保険医療機関について、当該実績が同イの基準を満たさなくなった場合であっても、賃金改善実施年度の前年度のうち連続する6か月間において、救急搬送件数が 100 件以上である場合は、同イの基準を満たすものとみなすこと。
(3)当該評価料を算定する場合は、当該保険医療機関に勤務する看護職員等(保健師、助産師、看護師及び准看護師(非常勤職員を含む。)をいう。以下同じ。)に対して、当該評価料の算定額に相当する賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除く。)を含む。以下この区分において同じ。)の改善を実施しなければならない。この場合において、賃金の改善は、基本給、手当、賞与等のうち対象とする賃金項目を特定した上で行うとともに、特定した賃金項目以外の賃金項目(業績等に応じて変動するものを除く。)の水準を低下させてはならないこと。
(4)賃金の改善措置の対象者は、当該保険医療機関に勤務する看護職員等とする。
ただし、当該保険医療機関の実情に応じて、当該保険医療機関に勤務する看護補助者、理学療法士、作業療法士その他別表1に定めるコメディカルである職員(非常勤職員を含む。)についても、賃金の改善措置の対象者に加えることができる。
(5)(3)について、安定的な賃金改善を確保する観点から、当該評価料による賃金改善の合計額の 2/3 以上は、基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げにより改善を図ること。
(6)看護職員処遇改善評価料の保険医療機関ごとの点数については、当該保険医療機関における看護職員等の数(保健師、助産師、看護師及び准看護師の常勤換算の数をいう。以下同じ。)及び延べ入院患者数(入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料を算定している患者の延べ人数をいう。以下同じ。)を用いて次の式により算出した数【A】に基づき、別表2に従い該当する区分を届け出ること。

(7)(6)について、「看護職員等の数」は直近3か月の各月1日時点における看護職員数の平均の数値を用いること。「延べ入院患者数」は直近3か月の1月あたりの延べ入院患者数の平均の数値を用いること。また、毎年3、6、9、12 月に上記の算定式により新たに算出を行い、区分に変更がある場合は地方厚生局長等に届け出ること。
ただし、前回届け出た時点と比較して、直近3か月の「看護職員等の数」、「延べ入院患者数」及び【A】のいずれの変化も1割以内である場合においては、区分の変更を行わないものとすること。
(8)看護職員処遇改善評価料の見込額、賃金改善の見込額、賃金改善実施期間、賃金改善を行う賃金項目及び方法等について記載した「賃金改善計画書」を毎年4月に作成し、毎年7月において、地方厚生局長等に提出すること。
(9)毎年7月において、前年度における取組状況を評価するため、「賃金改善実績報告書」を作成し、地方厚生局長等に報告すること。
別表1 看護補助者、理学療法士及び作業療法士以外の賃金の改善措置の対象とすることができる
コメディカル
視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科衛生士、歯科技工士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、保育士、救急救命士、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師、公認心理師、その他医療サービスを患者に直接提供している職種
別表2 看護職員処遇改善評価料の区分

厚生労働省HP個別改定項目
→https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000975080.pdf
令和4年度診療報酬改定の概要看護における処遇改善
→https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000983969.pdf
また、新規届出を行う医療機関は、新規届出を行った年度に限り、賃金改善実施年度の前年度1年間の実績とするとなっています。
【厚生局へ届出、提出が必要な書類】
〇賃金改善計画書
提出期間 新規届出時に作成、届出
毎年4月に作成 毎年7月に届出
〇賃金改善実績報告
記載事項:看護職員処遇改善評価料の実績値、賃金改善の実績額と実施期間など
提出時期 毎年7月に届出
【算定を行う月「看護職員等の数」「延入院患者数」の対象期間、算定を開始する月】

自院の年間の救急受入れ件数は把握されていますか?
200件の数字がクリアできそうな病院であれば、ぜひチャレンジしたい加算ではないでしょうか?
結果、重症度、医療・看護必要度にも貢献することが期待できますし、職員のモチベーションに繋がれば・・・・。
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地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する看護職員を対象に、令和4年 10 月以降収入を3%程度(月額平均 12,000 円相当)引き上げるための処遇改善の仕組みを創設。地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関において、勤務する看護職員の処遇を改善するための措置を実施している場合の評価を新設することとされました。


〇看護職員処遇改善評価料の新設
(新) 看護職員処遇改善評価料(1日につき)
1 看護職員処遇改善評価料1 1点
2 看護職員処遇改善評価料2 2点
3 看護職員処遇改善評価料3 3点
↓
145 看護職員処遇改善評価料 145 145 点
146 看護職員処遇改善評価料 146 150 点
147 看護職員処遇改善評価料 147 160 点
↓
165 看護職員処遇改善評価料 165 340 点
同じ加算項目で、165項目あるというのはとても珍しい項目となっていますが、1点~340点の間の評価料とうことになります。
【算定要件】
(1)看護職員の処遇の改善を図る体制その他の事項につき別に厚生労 働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長 等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、第1節の 入院基本料、第3節の特定入院料又は第4節の短期滞在手術等基本料を算定しているものについて、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。
(2)看護職員処遇改善評価料は、地域で新型コロナウイルス感染症に 係る医療など一定の役割を担う保険医療機関において、当該保険医 療機関に勤務する保健師、助産師、看護師及び准看護師の賃金を改善するための措置を実施することを評価したものである。
【厚生労働大臣が定める施設基準】
(1)次のいずれかに該当すること。
イ 救急医療管理加算に係る届出を行っている保険医療機関であって、救急搬送件数が年間
で 200 件以上であること。
ロ 「救急医療対策事業実施要綱」(昭和 52 年7月6日医発第 692号)に定める第3「救命救急センター」、第4「高度救命救急センター」又は第5「小児救命救急センター」を設置している保険医療機関であること。
(2)(1)のイの救急搬送件数は、賃金の改善を実施する期間を含む年度(賃金改善実施年度という。以下この区分において同じ。)の前々年度1年間における実績とする。ただし、現に看護職員処遇改善評価料を算定している保険医療機関について、当該実績が同イの基準を満たさなくなった場合であっても、賃金改善実施年度の前年度のうち連続する6か月間において、救急搬送件数が 100 件以上である場合は、同イの基準を満たすものとみなすこと。
(3)当該評価料を算定する場合は、当該保険医療機関に勤務する看護職員等(保健師、助産師、看護師及び准看護師(非常勤職員を含む。)をいう。以下同じ。)に対して、当該評価料の算定額に相当する賃金(基本給、手当、賞与等(退職手当を除く。)を含む。以下この区分において同じ。)の改善を実施しなければならない。この場合において、賃金の改善は、基本給、手当、賞与等のうち対象とする賃金項目を特定した上で行うとともに、特定した賃金項目以外の賃金項目(業績等に応じて変動するものを除く。)の水準を低下させてはならないこと。
(4)賃金の改善措置の対象者は、当該保険医療機関に勤務する看護職員等とする。
ただし、当該保険医療機関の実情に応じて、当該保険医療機関に勤務する看護補助者、理学療法士、作業療法士その他別表1に定めるコメディカルである職員(非常勤職員を含む。)についても、賃金の改善措置の対象者に加えることができる。
(5)(3)について、安定的な賃金改善を確保する観点から、当該評価料による賃金改善の合計額の 2/3 以上は、基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げにより改善を図ること。
(6)看護職員処遇改善評価料の保険医療機関ごとの点数については、当該保険医療機関における看護職員等の数(保健師、助産師、看護師及び准看護師の常勤換算の数をいう。以下同じ。)及び延べ入院患者数(入院基本料、特定入院料又は短期滞在手術等基本料を算定している患者の延べ人数をいう。以下同じ。)を用いて次の式により算出した数【A】に基づき、別表2に従い該当する区分を届け出ること。

(7)(6)について、「看護職員等の数」は直近3か月の各月1日時点における看護職員数の平均の数値を用いること。「延べ入院患者数」は直近3か月の1月あたりの延べ入院患者数の平均の数値を用いること。また、毎年3、6、9、12 月に上記の算定式により新たに算出を行い、区分に変更がある場合は地方厚生局長等に届け出ること。
ただし、前回届け出た時点と比較して、直近3か月の「看護職員等の数」、「延べ入院患者数」及び【A】のいずれの変化も1割以内である場合においては、区分の変更を行わないものとすること。
(8)看護職員処遇改善評価料の見込額、賃金改善の見込額、賃金改善実施期間、賃金改善を行う賃金項目及び方法等について記載した「賃金改善計画書」を毎年4月に作成し、毎年7月において、地方厚生局長等に提出すること。
(9)毎年7月において、前年度における取組状況を評価するため、「賃金改善実績報告書」を作成し、地方厚生局長等に報告すること。
別表1 看護補助者、理学療法士及び作業療法士以外の賃金の改善措置の対象とすることができる
コメディカル
視能訓練士、言語聴覚士、義肢装具士、歯科衛生士、歯科技工士、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、管理栄養士、栄養士、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、保育士、救急救命士、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師、柔道整復師、公認心理師、その他医療サービスを患者に直接提供している職種
別表2 看護職員処遇改善評価料の区分

厚生労働省HP個別改定項目
→https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000975080.pdf
令和4年度診療報酬改定の概要看護における処遇改善
→https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000983969.pdf
また、新規届出を行う医療機関は、新規届出を行った年度に限り、賃金改善実施年度の前年度1年間の実績とするとなっています。
【厚生局へ届出、提出が必要な書類】
〇賃金改善計画書
提出期間 新規届出時に作成、届出
毎年4月に作成 毎年7月に届出
〇賃金改善実績報告
記載事項:看護職員処遇改善評価料の実績値、賃金改善の実績額と実施期間など
提出時期 毎年7月に届出
【算定を行う月「看護職員等の数」「延入院患者数」の対象期間、算定を開始する月】

自院の年間の救急受入れ件数は把握されていますか?
200件の数字がクリアできそうな病院であれば、ぜひチャレンジしたい加算ではないでしょうか?
結果、重症度、医療・看護必要度にも貢献することが期待できますし、職員のモチベーションに繋がれば・・・・。
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