~令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第1回)について~
 2024年改定は、6年に1度の診療報酬と介護報酬の同時改定。同時改定にむけて、医療と介護の連携に関する意見交換会が令和5年3月15日に開催されました。
医療側からは、日本医師会、日本慢性期医療協会、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、健康保険組合連合会等の団体の立場、介護側からは、民間介護事業推進委委員、日本介護支援専門員協会、全国老人福祉施設協議会、全国老人保健施設協会などの団体の立場の委員と、老健局及び保険局の共同事務局による有識者会議の形になっています。
次期改定は、6年に1度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定になることともに、医療介護総合確保方針、医療計画、介護保険事業(支援)計画、医療保険制度改革などの医療と介護に関わる関連制度の一体改革にとって節目と考えられています。 
今後の医療及び介護サービスの提供体制の確保に向け様々な視点から検討が重要ということで、中央社会保険医療協議会及び、社会保障審議会介護給付費分科会において、診療報酬と介護報酬等との連携、調整をより一層進める観点から、それぞれの審議会において、具体的な検討に入る前に、テーマを分けて意見交換する場が設けられました。
具体的なテーマとしては、
1. 地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サービスの連携
2. リハビリテーション・口腔・栄養
3. 要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療
4. 高齢者施設・障害者施設等における医療
5. 認知症
6. 人生の最終段階における医療・介護
7. 訪問看護
8. 薬剤管理
9. その他
 令和5年3月15日から、5月にかけて3回に分けて、議論することとなっています。
3月15日は、テーマ1~3について議論されました。
1つ目のテーマ「地域包括ケアシステムのさらなる推進のための医療・介護・障害サー
ビスの連携」では①医療・介護連携に係る評価②在宅医療・介護連携推進事業③医療・介
護DX④医療・介護と障害福祉サービスとの連携⑤主治医と介護支援専門員の連携につい
て。
2つ目のテーマ「リハビリテーション・口腔・栄養」では、①リハビリテーション・口腔・栄養の一体的な取組について。3つ目のテーマ「要介護者等の高齢者に対応した急性期入院医療」では、急性期一般入院料において、1~3では75歳以上の高齢者の占める割合が54%。急性期一般入院料4~7では、75歳以上の占める割合が、70%となっており、近年特に85歳以上の患者の占める割合が増加傾向にある。
入院患者に占める要介護者等の割合や、介護施設、高齢者施設からの入院患者の特徴として、誤嚥性肺炎が14%、尿路感染症とうっ血性心不全などが5%程度占めていることが示された。また高齢者特有の疾患やそれに伴う治療について、入退院支援の在り方医療側と介護施設側のそれぞれの役割について改めて示された。
まさしく、医療と介護の制度の間を埋める、いわゆるシームレスは連携を進めるために、現在の制度上の枠組みを整理した形。こうした点から今後増加していくであろう、高齢者(75歳以上・85歳以上)の入院患者をどこの施設が受けていくのか。診療報酬上では急性期一般から地域包括ケア、回復期リハビリテーション病棟、介護報酬からは、介護老人福祉施設~老健、介護医療院等を含めた機能の再編、役割分担がより明確に示されていくことが想定されます。
この意見交換会は、令和6年の同時改定で議論されるキーワードがちりばめられているといっても過言ではない有識者会議ですので、今後も注目していきたいと思います。

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