2024年改定は、6年に1度の診療報酬と介護報酬の同時改定。同時改定にむけて、医療と介護の連携に関する意見交換会第1回令和5年3月15日、第2回が4月19日、第3回が5月18日に開催されました。
テーマは、人生の最終段階における医療・介護と訪問看護です。現在のところ議事録は掲載されておりませんが、提出された資料から次期改定の議論の一端を紐解いていきたいと思います。

人生の最終段階における医療・介護について
〇認知症患者が増加する背景などを踏まえると、あらかじめ本人の意思を共有すること
〇全ての医療機関が共通認識の下で取り組むこと
〇早期から意思決定支援を行う場合には、かかりつけ医の対応も含めた検討
〇人生の最終段階において、最後まで口から食べることや口腔の管理の重要性
〇本人の意思に基づく医療・介護の提供という視点
〇がんのみならず他の全ての疾患における緩和ケアを専門とする医師等とICT等を使用
 した支援体制の構築
〇緩和ケアにおいては、麻薬の早期からの仕様など考え方も変化してきているが、一方医
 療機関、薬局、訪問看護ステーションの間での、日常からの連携体制の構築
〇非がんの緩和ケアにおいても心不全やCOPDの末期の状態での、少量の麻薬の使用な
 ど検討する余地
〇特養などの看取り強化が進むなか、医療介護の連携をより推進するような仕組みに課題

訪問看護
〇訪問看護は、今後更なる高齢化を見据える中で、より一層ニーズが高まることが予測
〇看取りや小児、難病など多世代にわたる対応が、安定した24時間のサービス提供体制の
 構築・強化が急務
〇コロナ禍における訪問看護の需要の高まり
〇訪問看護のレセが電子請求に移行することを踏まえ、レセプト分析について進め実態把
 握、検証が必要
〇24時間対応のニーズは高まるものの、看護職員の身体的・精神的負担は大きい
〇複数の施設で連携して24時間対応体制を確保することが必要
〇理学療法士等の訪問看護については、ケアの必要性や訪問看護の一体的な提供などを管
 理する必要
〇医療と介護が一体的にマネジメントされていない現状
〇シームレスなサービス提供の仕組みの構築が重要で、医療保険と介護保険の要件の差な
 ど改善する必要

 といった議論がなされました。次期診療報酬や介護報酬改定の内容に踏み込んだ意見交換がされたのではと考えます。人生の最終段階における医療・介護については看取りの環境整備でありそのためには、本人の意思決定を早期に進めていくためには、何が必要なのか。それを支える医療介護の在り方が議論されていました。
 訪問看護については、より改定内容に近い現状の課題の中が振れられており、訪問看護ステーションの体制評価や24時間体制の評価の仕方など現状の課題や、今後の方向性の議論がなされました。医療と介護の連携の部分が特に同時改定によって大きくすり合わせが行われることが予想されますね。
 今後は、介護給付費分科会や中医協の議論の内容についても触れていきます。
参考サイト:令和6年度の同時報酬改定に向けた意見交換会(第3回)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000162533_00003.html

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